東京大学大学院
  上廣死生学講座

京都大学こころの
  未来研究センター

東京大学大学院医学系
  研究科 赤林朗教授


東京大学大学院人文社
  会系研究科島薗進教授


倫理良書レビュー

上廣死生学講座
  東京大学大学院人文社会系研究科 死生学・応用倫理センター


 2007年4月2日より、当財団は東京大学大学院人文社会系研究科に上廣死生学寄付講座を設置いたしました。本寄付講座は総括監督者の島薗進教授のもと、清水哲郎専任教授、山崎浩司専任講師が担当されています。
 医療の現場への哲学的アプローチから出発し、その思索を医療の質の向上につなげるべく、研究と実践が一体となった活動を行っております。また、医療現場において、医療者が患者・家族とコミュニケーションを通し、治療方法の決定に至るプロセスを現実的、理論的にも適切に整えようとする臨床倫理学研究に取り組んでおります。この線上で、臨床現場における死生をどう理解し、その理解を医療・介護のケア実践にどう活かして行くかという臨床死生学の課題にも向かっております。

  


 2010年度活動報告

 2010年度は本講座開設4年目にあたり、5年の節目まであと1年となった。昨年度までと同じく、本講座は清水哲郎教授と山崎浩司講師を中心に、同じく4年目となる本学グローバルCOE プログラム「死生学の展開と組織化」の事業推進者や特任研究員と連携して、東大死生学の発展と組織化に努めた。開設年度から続けている《医療・介護従事者のための死生学》セミナーは、今年度も臨床現場と学術の世界とをつなぐ機会を提供した。また、同じく開設年度から続く臨床死生学・倫理学研究会は、本学内外の研究者や実践家に死生にまつわる諸問題に関する発表の機会を多く提供した。本研究会は今年度から参加者数が増え、毎回数十名が参加して積極的な議論を展開している。

  1. 医療・介護従事者のための死生学セミナー
    夏季セミナー(7月31日)
      死生学コア(島薗進)、臨床死生学コア1・2(清水哲郎)、死生学トピック(一ノ瀬正樹)
    冬季セミナー(2月5日)
      臨床死生学演習(清水哲郎・山崎浩司)、国立がん研究センター共催シンポジウム
      「地域におけるがん医療と死生学」
      登壇者:島薗進、渡邊清高、波平恵美子、清水哲郎
           岡部健、浅見洋、山崎浩司、竹之内裕文

  2. 臨床死生学・倫理学研究会
    第1回 4月15日 宮崎貴久子(京都大学大学院医学研究科)
       緩和ケアへの移行と実践の円滑化にむけた研究とその背景――がん診療ガイドラインと
       QOL評価の課題
    第2回 5月27日 梶原葉月(Pet Lovers Meeting)
       Pet Lovers Meeting 10年間の活動報告――日本で始めてのペットロス自助グループ
    第3回 6月10日 林 千章(城西国際大学大学院人文科学研究科)
       リプロダクティブ・フリーダム再考――中絶の自己決定権をめぐって
    第4回 6月24日 日笠晴香(東北大学大学院文学研究科・日本学術振興会)
       事前指示の有効性と最善の利益
    第5回 7月29日 藤本啓子(東神戸病院緩和ケア病棟)
       ホスピス電話相談から見える癌患者の現状
    第6回 9月16日 阪口英夫(医療法人尚寿会大生病院歯科口腔外科)
       口腔ケアと死生学――終末期患者の口腔ケアと死生学の意外な関係
    第7回 10月14日 孫和代・花崎皋平・関正勝・松浦順子
       「ハンセン病胎児標本問題」からの考察――生と死の合差から
    第8回 11月4日 高橋麻由(京都大学大学院人間・環境学研究科)
       「脳死者からの臓器移植」をテーマにした授業実践
    第9回 12月16日 打出喜義(金沢大学医学部付属病院)
       医療事故死遺族へのグリーフケア――医療者は「遺族」のグリーフワークをサポート
       できるのか
    第10回 1月20日  澤井 努(京都大学大学院人間・環境学研究科)
       石門心学における死生観――石田梅岩の思想を手がかりとして
    第11回 2月3日  永田 明(愛媛大学大学院看護学研究科)
       生体肝移植ドナーへのインフォームド・コンセントの在り方についての考察

  3. 授業
    死生学概論(T・U)「死生学の射程」清水哲郎・山崎浩司(夏・冬)
    死生学演習「西欧中世の死生観」清水哲郎(通年)
    死生学演習「臨床倫理セミナー」清水哲郎(夏・冬)
    死生学演習「死生学の諸問題」清水哲郎・山崎浩司(通年)
    死生学特殊講義 「死と死にゆくことの社会学」 山崎浩司(夏)
    死生学演習(T)「死生学に活かす質的研究法」山崎浩司(通年)
    死生学演習(U)「死生に関する人文社会科学的文献の講読」山崎浩司(通年)

  4. その他
    ・清水哲郎・島薗進編『ケア従事者のための死生学』(ヌーヴェルヒロカワ)を刊行した。
    ・清水教授およびGCOE特任研究員により、各地で臨床倫理セミナーを開催した――
       臨床倫理セミナー in 仙台(7月4日)
       臨床倫理セミナー in 大阪(8月8日)
       臨床倫理セミナー in 金沢(9月23日)
       臨床倫理セミナー in 札幌(2011年1月16日)
       臨床倫理セミナー in 奄美大島(1月29日)
       臨床倫理セミナー in 大阪U(2月20日)
    ・山崎講師と学外の研究者の連携により、シンポジウム「傷つきを語ることの意味と聴くと
     いう経験――質的心理学における『語り』研究の地平」(日本質的心理学会研究交流委員
     会主催・東京大学グローバルCOE「死生学の展開と組織化」協賛)を12月4日に開催した。
    ・清水教授と学内外の研究者の連携により、シンポジウム「食べられなくなったらどうします
     か?――認知症のターミナルケアを考える」(平成22年度厚労省老人保健健康増進事業、
     日本老年医学会主催、東京大学グローバルCOE「死生学の展開と組織化」協賛)を2011年
     2月27日に開催した。

            


東京大学大学院人文社会系研究科
死生学・応用倫理センター
上廣死生学講座(Uehiro Chair for Death and Life Studies)

 

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